社長インタビュー

岡本工機は、400年間受け継いだ 「御鋳物師」のスピリットを胸に、
重さと過酷な環境に耐え抜く “特殊キャスター”の製造・販売をしています。
一般の目に触れることは、ほとんどありません。
しかし、他に替えがきかない製品として、 頼りにしてくださっているお客様が日本全国にいます。
その期待に応え続けることが、私たちの使命です。

代表取締役社長
岡本 達明

母体の創業は、「桶狭間の戦い」の年。

岡本工機は、1560年に創業したナベヤの関係会社です。1560年、織田信長が桶狭間の戦いに勝利したと言われるこの年から、ナベヤの長い歴史が始まっています。江戸時代には朝廷から「御鋳物師(おんいもじ)」の免状を授かり、鋳物を納めていました。

岡本工機としてナベヤから分離独立したのは、1959年(昭和34年)のことです。社名のとおり、当初は鋳物を加工した工作機械や鋸盤(のこばん)を、その後はベアリングやピローブロック(転がり軸受ユニット)といった、回転するものの軸を支える機械部品を製造していました。そのうち、さらに独自の製品を生み出そうという機運が高まり、軸受の技術とノウハウを生かしてキャスターを製造するようになったのです。お客様の幅広い要望にお応えできるよう、鋳物の材質を選ぶ段階から設計・加工・販売までワンストップで対応しています。

ロケット、自動車、ボート……、
重いものをしっかりと支え、動かす。

キャスターというと、家具の足やバッグなどについているものをイメージされる方が多いでしょう。 しかし、岡本工機の独自製品である鋳物を使用したキャスターは、一般の目に触れる機会がほとんどありません。 なぜなら、「かなりの重さ」と「過酷な環境」に耐えるという特殊な役割を求められているからです。

たとえば、ロケットや航空機の巨大な部品、自動車工場の生産ライン、マリーナでボートやヨットをのせる船台などがそうです。“トン”以上の重さを支えつつ、何千時間も稼働し続ける工場や、海水による塩害が避けられない環境に耐え抜く頑丈さがなければなりません。

製造現場、工程管理、営業が
それぞれプロの仕事をすることで高品質を実現。

そうした難題をクリアし、日本全国から海外まで幅広いお客様からご支持をいただけているのは、すべての部署が水準の高い仕事をしているからだと自負しています。 お客様ごとに異なる荷重の設定ひとつとっても、各部署が力を合わせなくては実現しません。

まず重要なのは、お客様の要望を把握することです。過酷な環境でかなりの重さをのせるとなると、理論上のスペックでは通用しないことも珍しくありません。 営業担当が環境や使用シーンまで確認したうえで、お客様のご要望とすり合わせなければ、適切な製品のご提案はできないのです。

営業担当がまとめてきた提案を形にするのが、技術部門や工程管理部門、製造部門です。技術部門は、部分的に厚くしたり薄くしたりできる鋳物の特性を活用した設計をします。 それを踏まえて工程管理部門が材料の調達や納期の調整を行い、製造部門がさまざまな加工技術を駆使して実際のカタチにしていくのです。 最近は、鋳物だけでなくゴムやウレタン、樹脂といった素材との組み合わせのご要望も増えていますので、各部門が研究を重ねて適切な組み合わせを試行錯誤し、付加価値の高い製品を生み出しています。

好奇心と向上心を満たせる環境。
意欲さえあれば、未経験も大歓迎!

このように、岡本工機の仕事には「決まった答え」がありません。製造業は、同じものをつくり続けていると思われがちですが、岡本工機では、常に新たな挑戦が待ち受けています。だからこそ大変なことも当然あります。 最初は思い通りの仕事ができないかもしれません。

しかし、好奇心と向上心を満たせる環境であることはお約束します。 ひとつひとつに興味を持ち、自分なりのアイデアを駆使しようとする意欲を持つ人は、必ず活躍できます。技術や知識の習得をサポートする体制も整えていますので、未経験であってもご安心ください。

仕事は、人生の中でもかなり多くの時間を占めます。 だからこそ、「この会社で働いてよかった」と思ってもらえるような環境を整えるのが、経営者としての最重要ミッションだと考えています。 福利厚生面の充実を含め、働きやすい会社を実現するためより一層力を尽くしていく決意です。

予測不可能な時代だからこそ、
長年受け継いできたスピリットが生きる。

社会はめまぐるしく変化しています。省力化や自動化の動きも活発となってきました。 そうした中で、キャスターという製品のニーズがどう変わっていくか、明確に予測するのは困難です。 物を運ぶ、動かすという行為そのものがなくなるとは思えませんが、予想のつかない変化への対応が必要となる可能性もあるでしょう。

しかし、岡本工機には、ひとつひとつ異なるお客様の要望に応えてきた対応力と、長年積み上げてきたノウハウがあります。 目立たないながら、特殊な役割をしっかりと果たしてきた強みもあります。 それらの源泉は、460年もの長きにわたって時代の荒波を幾度も乗り越えて受け継いできたものづくりのスピリットであり、どんな変化にも適応できると確信しています。 不確かな時代だからこそ、確かなものづくりをぜひご一緒に実現していきましょう。